昭和59年4月号のSMマニアが初出となる原稿です。
これまでライバル他誌に於いては、「絡む」ということがまったく行われませんでした。
男が登場しても、あくまで画面にいるだけでした。
当時裸の腰が接しているだけでもお咎めを受ける厳しさで、性交の表現には厳しい時代背景であったせいもあります。
このため一般エロ雑誌では「腰が30cm以上はなれていれば、男のパンツはいらない」とか、真面目な顔で語られていた頃です。
当時の人が今のエロ本を見たら目を白黒させるのは、間違いありません。
その状況の中、あえてセックスを取り込むと言うのを、SM編集者の誰も考えていなかったのが不思議です。
これにはパンツを脱いで果敢にモデルに挑める編集員がいなかったと言うのも起因します。
SM秘小説/マニアは敢えてセックス色を取り込み、文字通りSMに絡みを取り入れてみたのです。
その突撃要員の任を僕が担いました。
この原稿に先立つ別のモデルの撮影において、背後から挿入をしてみたら、劇的とも言える情感を滲ませたモデルがいました。(モデル名…忘れました)
そこであの名シーンをもう一度撮れないかと、再チャレンジしたのがこの原稿です。
撮影を起す段階では、本番ありのSMなどとはモデルに伝えておりません。
現場で口説き、発情させて、一息に背後から挿入するという荒技を行っています。
男優が着衣なのは、本番であることを取り締まる側に隠すためです。
それなりの情感を発揮しましたが、最初に行ったモデルほどの衝撃性は残念ながら得られませんでした。
それでも本気で感じている様子が原稿からは見て取れるでしょう。