昭和61年4月号のSM秘小説に掲載された原稿です。
おぼろげに覚えています(笑)
このモデル、流行の派手な格好で現場に現れました。
毎晩飲み歩き、規則正しい生活とは縁遠いという印象です。
私服を脱いで撮影に入るとその荒れた生活が目につき始めます。
爪を伸ばしマニキュアを施していますが、ひどく乱暴な塗り方です。
脛や腕の毛の手入れは怠り、さらに入浴しても身体をきちんと洗っていないのでしょう、あちこちの皮膚が角質化し白くなっています。どこか男勝りの性格だったのかもしれません。
よく見せようと化粧や髪型には注意を払いっているものの、基本的なたしなみをおろそかにしている女性です。
画像を丹念に見渡せば、彼女の肌がひどく痛んでいるのに気がつくでしょう。
では、撮影しにくいかと言うと決してそうではありません。身体は決して柔らかくありませんでしたが、加賀恵子のように黙々と耐えるのです。
このような女性だと、スタッフ一同加虐的になってしまうようです。
濡木先生の縄は冴え渡り、これでもかというほど縛り上げます。
それでもなんの文句も云わず、スタッフと懇意になる訳でもなく、黙々と仕事をこなしていました。
もしもこの娘がしっかりと肌の手入れを行い、現場でスタッフと談笑していたら、撮影は柔なものになっていたに違いないでしょう。
性格の良いモデルには過酷な要求できないのが、スタッフの弱点です。