小生が撮影班班長を務めていた頃です。
単発撮影で知り合いましたが、口説き落として縛りモデルをお願いしたのが始まりでした。
最初の撮影は、不貞腐れ態度が悪く、濡木先生杉浦カメラマン共々激怒し、モデルの面前で「こんな女は使えない!」と編集であった小生に詰め寄った経緯のあるモデルでした。
仲の悪い二人がこの時ばかりは協調するほどひどいモデルだったわけです。
この辺り、以前も書いた気がします(笑)
初回の撮影を急遽違うテーマの撮影にしたのか、そのまま縛りの撮影を継続したのかは覚えておりません。
それからしばらくして、再び勝見よし子を起用したときの二人の呆れ顔は忘れません。
「またこの女を使うのか!」
彼女はと言えば、目を逸らし無言でした。
熱海旅館に着いても、二人の巨匠は不満を漏らし続けました。
そこで彼女に尻を突き出すように命じ、その尻を竹棒で打擲したのです。
ライトを組んでいた𣘺本氏も驚いて手を止めるほどの光景でした。
容赦なく尻を幾度も殴打しました。
そして彼女はうっとりとその打擲を受けたのです。
撮影が始まる前に尻は真っ赤に腫れ上がりました。
興奮したのは濡木先生でした。
SMの匠で女性の鑑識眼を誰よりも持っているはずの先生すら彼女のマゾ性を見抜けていなかったのです。
本来ならモノクロの撮影に使用する35mmのニコンカメラにカラーポジフィルムを詰めるように命じたのが杉浦カメラマンでした。
「ライブ中心で今日は撮ろう」
そしてもっとも印象的な撮影が行われました。
数年後の後日談があります。
こちらのカットの中にはありませんが、腰掛ける小生の足元に身を寄せるカットが本誌では使用されました。
その頃付き合っていた女性は、小生がSM誌の編集であることも時として男優を勤めることも承知していました。
小生が裸で絡む写真を雑誌で見てもなんら感情を動かすことのない女性でした。
しかし、そのカットにだけは気炎をあげて怒り嫉妬しました。
女性でなければ読み取れない何かを感じたのでしょう。
女って凄いと感心した瞬間でした。